山口県と島根県で「これまで経験したことのないような大雨」

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最も雨が強かったころの気象レーダー。山口県と島根県の県境に活発な雨雲がかかっている。

28日未明から昼過ぎにかけて、山口県と島根県ではこれまでに経験したとのないような大雨となりました。山口県萩市須佐では12時4分までの1時間に138.5ミリの猛烈な雨を観測し、須佐の時間雨量のこれまでの記録を更新しました。また11時までの1時間にも107ミリの雨を観測し、2時間連続で時間雨量100ミリを超えました。3時間雨量は301.5ミリに達し、これは須佐の平年の7月の雨量(281.6ミリ)を超えています。つまり、わずか3時間で平年の1カ月分の雨が降ったことになります。

 
各地の雨量は、

1時間降水量の日最大値
山口県 須佐 138.5mm(12:04)(観測史上1位の値を更新)
島根県 津和野 91.5mm(04:04)(観測史上1位の値を更新)
山口県 徳佐 66.0mm(10:00)

3時間降水量の日最大値
山口県 須佐 301.5mm (12:20)(観測史上1位の値を更新)
島根県 津和野 197.5mm (06:50) (観測史上1位の値を更新)
山口県 徳佐 157.5mm (10:00)  (観測史上1位の値を更新)

須佐のこれまでの時間雨量の最大値は60mm、3時間雨量の最大値が124.5mm(1976年~)なので、今回の大雨がいかに異常だったのかが分かります。

11時40分の気象レーダーを見ると、発達した雨雲が山口県と島根県の県境付近にかかっていることが分かります。この雲は午前9時頃から12時頃まで3時間に渡ってほぼ同じ位置にかかり続けました。

この大雨の影響で、山口県の萩市須佐や津和野町では河川の氾濫や土砂崩れがいたることろが発生し、孤立した人々を救助するために自衛隊が出動する事態となりました。

大雨の原因について、気象庁は「高気圧の縁を回って流れ込む暖かく湿った空気と、日本海にある動きの遅い低気圧周辺を回る空気が、ちょうど山口県と島根県の県境付近に集まって雨雲が発達した。低気圧の動きが遅いので、雨が同じような場所で降り続いて大雨になったと考えている」と説明しています。また、8月末から始まる「特別警報」の基準を満たす大雨に相当するということです。

※大雨の特別警報は、「3時間雨量」と雨が土壌にどれだけたまっているかを示す「土壌雨量指数」で判断され、50年に1度の値を記録した地域が10カ所以上となった場合に出される。